越境ECを作れるMagento(マジェント)とは?できることやインストール方法を解説
ECサイトを作れるCMSやプラットフォームが多数存在する中で、なぜMagento(マジェント)が選ばれ続けているのかご存知でしょうか。
本記事では、越境EC向けのプラットフォーム「Magento」について、以下の内容をご紹介します。
ぜひ参考にしてください。
Magento(マジェント)とは
Magento(マジェント)とは、越境EC向けのプラットフォームです。2018年にAdobeが買収し、現在はAdobeの商品の1つとなっています。
Magentoは国際標準である60以上の言語と50種類以上の通貨に対応していることが特徴で、「マルチリンガルEC構築」に特化したECパッケージとなっています。
ECサイトの構築と言えば最近ではShopifyが有名ですが、それまではMagentoのシェアが大きい時代が続いていました。今でも海外ではMagentoが多く使われています。
世界のECサイトのうち、売上上位の大きなサイトで使われているのはMagentoです。国内では、PanasonicやSHARP、日産などの大手企業でも利用されている実績があります。
Magento(マジェント)の機能や料金体系
Magentoで行えることは無限にありますが、代表的な機能は以下のようなものです。
- フロントエンドの機能:
商品ページ・カテゴリページ・決済画面・会員ページ・商品レビューなど
商品ページ イメージ
引用元:Adobe Commerce 概要動画
商品ページ作成 イメージ
引用元:Adobe Commerce
- 管理画面の機能:
注文管理・配送管理・定期購入管理・商品管理・顧客管理など
注文管理画面
顧客管理画面
- その他の機能:
条件指定の割引・クーポン発行・レビュー管理など
レビュー管理画面
上記の他にも、ECサイトを運用する上で必要な機能は、ほぼすべてを備えていると言っても過言ではありません。
ただし有償版と無償版があり、機能やサポートに表のような違いがあります。
機能・特徴 | 無料 | 有料 |
---|---|---|
決済機能 | ◯ | ◯ |
配送機能 | ◯ | ◯ |
見積もり機能 | ✕ | ◯ |
ロット割引・団体割引 | ◯ | ◯ |
ポイント・ギフト機能 | ✕ | ◯ |
レポート機能 | ✕ | ◯ |
多言語対応 | ◯ | ◯ |
多通貨対応 | ◯ | ◯ |
サポート | 無料コミュニティによるサポート | 公式サポートあり |
無償版を利用しているサイトもありますが、世界的に売上上位を占めるような大企業の多くでは、有償版を利用しています。
なお、無償版の場合もMagentoをインストールするためのサーバーやドメインの料金は別途かかります。
Magento(マジェント)を使うメリット
Magento(マジェント)には多くの利点がありますが、ここでは代表的な3つのメリットを紹介します。
- 拡張性が高く多機能
- 複数のECサイトを制作・運営できる
- 高性能で表示速度が速い
1つずつ見ていきましょう。
1. 拡張性が高く多機能
Magentoはオープンソースであることや、エクステンション、テーマなどにより拡張性が高いことがメリットです。できないことはないと言っても過言ではありません。
たとえば、オープンソースであれば以下のようなカスタマイズも可能です。
- 顧客ごとに表示価格を変更する
- ログインユーザーと非会員で表示内容を変える
2021年時点では、エンタープライズの領域でオープンソースなのは珍しく、自由にカスタマイズできるのはMagentoだけとも言えます。
また、6000種類以上のエクステンション(オプション)で、ECサイトに必要な機能を簡単に実装できる点も強みです。
エクステンションがあると非常にカスタマイズしやすく、たとえば以下のようなオプションも追加できます。
- M2E Pro:
Amazonとの連携機能 - aheadowrks – Blog:
ブログ・新着情報の配信機能 - aheadworks – Who Bought This Also Bought:
あわせて買う商品の提案機能
さらに、テーマと呼ばれるデザインテンプレートも複数用意されています。テーマにはCSSやJavaScriptなどが組み込まれており、サイトの外観を整えるのが簡単です。
エクステンションやテーマは、Magentoの管理画面からインストール可能で、随時新しいものが公開されています。
これらの拡張性によって、あらゆるECサイトを作れるため、各企業のやりたいことを実現できます。
2. 複数のECサイトを制作・運営できる
Magentoは1つのシステムで複数のサイトを制作し、運営できます。
そのため、1社で複数のブランドやショップを展開している場合に、ECサイトごとにシステムをインストールする必要がありません。
バックエンド(管理画面)は1つで、フロントエンド(公開サイト)は複数持つことが可能となります。
3. 高性能で表示速度が速い
Magentoは高性能でスムーズに動作するため、表示速度が速い状態がデフォルトとなっています。
100万点以上の商品を掲載しても通信速度は遅くならず、すぐにページを表示させることが可能です。
したがって、大規模のECサイトには特にMagentoが向いていると言えます。
Magento(マジェント)が越境ECに適している理由
ここまでにお伝えした機能や特徴により、Magentoでは下記のような「越境EC向けの設定」を行えます。
- 日本語サイトと海外向けのサイトを分けられる
- 取り扱い通貨を複数設定できる
- 国ごとにサイトの表示を設定可能
これらの設定によって、Magentoでは幅広い越境ECの構築が実現可能となるのです。
1つずつ詳しく見ていきましょう。
1. 日本語サイトと海外向けのサイトを分けられる
Magentoは1つのシステムで複数サイトを運用できるため、日本語サイトと海外向けのサイトを別々に作ることが可能です。
たとえば「決済した代金が入金されるお店の口座を、国ごとに設定したい」といった要望も、サイトを分けると実現できるんですよ。
また、各国のサイトのドメインを国別で変えることもできます。日本なら.co.jp、アメリカなら.comなどにすると、顧客からの信頼も得やすいでしょう。
2. 取り扱い通貨を複数設定できる
Magentoでは50種類以上の通貨に対応しています。
さらに特徴的なのは、通貨ごとにサイトを分けることが可能という点です。また、1つのサイトで表示通貨を切り替える設定ももちろん行えます。
要望に合わせてどちらでも選べるのが、Magentoの凄さです。
通常、他のプラットフォームでは、サイトを分けずに表示上で通貨を切り替えます。基軸通貨を1つ決めておき、その他の通貨は為替によって変換したものを表示させるという仕組みです。
その点、Magentoならサイトを分けられるので、各国の通貨で価格を固定できます。サイトの運用方針によって、各企業に最適な方法を選ぶことが可能です。
3. 国ごとにサイトの表示を設定可能
複数サイトを運用可能な上、細かい設定もできるという利点を活かすと、国ごとにサイトの表示を変えられます。
たとえば「販売の対象地域のみにサイトを表示させる」といった制限が実現可能です。
また「対象外の地域にも表示はするものの、購入・決済をできないようにする」など、詳細の設定もできます。その他にも様々な国別の表示設定を行えます。
越境ECを制作・運用する上で、国別に表示を変えられるのは大きなメリットと言えるでしょう。
Magento(マジェント)を使うデメリットや注意点
ここまでメリットをお伝えしてきましたが、Magentoにはデメリットも2つあります。
- 習得の難易度が高い
- 作り込むには費用がかかる
それぞれ説明していきます。
1. 習得の難易度が高い
メリットでお伝えしたように、Magentoは非常に多機能です。それゆえ、シンプルなツールよりも習得の難易度が高くなっています。
たとえばMagentoのメリットの1つに速度の速さがありますが、設定が正しくできていないと、逆に遅くなることもありえます。
豊富な機能を使いこなすことも簡単ではなく、Magentoの良さを活かしたサイトを構築するには、知識と技術が必要です。
2. 作り込むには費用がかかる
様々な要件を盛り込んでオリジナルのサイトを構築するには、ある程度の費用がかかります。高い技術が必要なため、専門の制作会社へ依頼することが多いでしょう。
発注先にもよりますが、サイトの構築費用は300万~600万円程度が目安となっています。予算を抑えたいケースでは、Shopifyの方が適しているかもしれません。
とはいえ、他のプラットフォームよりも細かな要望を叶えられる点は、やはりMagentoならではと言えます。
Magento(マジェント)のインストール方法
ここからは、実際にMagentoをインストールする方法を紹介します。本記事では、弊社のコアサーバーのV2の利用を前提として解説します。
※自動インストールはコアサーバーV2のみで対応しています。V1は自動インストールには対応しておらず、ソースをダウンロードしてインストールが必要となります。
それでは、以下3つのステップで進めていきましょう。
- PHPバージョン変更
- PHP Optionsを変更
- Magentoをインストール
- Magentoの管理画面へログイン
それぞれ説明していきます。
1. PHPバージョン変更
はじめに、コアサーバーのコントロールパネルにログインします。
次に、左側のメニューから「標準PHPバージョン」を選択してください。ここからPHPバージョンの変更を行っていきます。
「PHP Extensions」の中の「native(7.4current)▼」を押して、変更後のバージョンにします。今回は7.4を選択します。
PHP拡張一覧にある「psr」のチェックを外して「set as correct」を押します。
以上でPHPのバージョン変更ができました。
2. PHP Optionsを変更
次にoptionsを変更します。
引き続き、左側メニューの「標準PHPバージョン」を開きます。
下にスクロールして「memory_limit」を768M以上にします。
今回は1024Mを選んでいます。
3. Magentoをインストール
次に、Magentoのインストールを行います。
左側のメニューから「アプリインストール」を選択後、右上の検索窓で「Magento」と検索します。
Magentoがヒットするので、インストールを行います。
項目を確認して問題がなければ「インストール」を押します。
これで、Magentoをサーバーへインストールできました。
4. Magentoの管理画面へログイン
インストールが完了したら、Magentoの管理画面へログインします。
インストール時に設定したユーザー名とパスワードを入力してください。
ログインできると、Magentoのダッシュボード(管理画面)が開きます。
以上で、Magentoのインストールとログインは完了です。
本格的なECサイトを構築するには専門的な技術が必要ですが、まずはインストールして動かしてみると良いでしょう。
無料版でも充分な機能が備わっているので、越境ECを作る予定なら、一度はMagentoを検討してみるのがおすすめです。
自社の理想とするECサイトを作れるかどうか、ぜひ試してみてください。
まとめ
Magentoは、越境ECを作る上で最適のプラットフォームです。カスタマイズに制限がないため、どんな細かい要件でも満たせるでしょう。
ただし、Magentoの性能の良さを活かすには、サーバーが高速通信に対応していることが必須です。
その点において、弊社のコアサーバーでは、通信速度の安定性を保つIPv6に対応しています。さらに、Webサーバーは処理能力の高いLiteSpeedを採用することで、高速化を実現しました。
Magentoでサイトを構築するなら、ぜひコアサーバーをご利用ください。
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