Blueskyとは?新時代SNSの始め方・使い方と特徴
ジャック・ドーシー氏が立ち上げた分散型SNS「Bluesky Social(ブルースカイ)」のβ版が米AppleのApp Storeから2023年2月に公開されました。今まで登録には招待コードが必要でしたが2024年2月より招待コードが不要になり話題になっています。
ジャック・ドーシー氏はX(旧Twitter)の元CEO(最高経営責任者)です。彼はイーロン・マスク氏によるX(旧Twitter) 買収騒動以前の2019年に分散型オープンプロトコル開発プロジェクト「Bluesky」を立ち上げています。そのプロトコルを実装したソーシャルアプリが「Bluesky Social」と呼ばれるものです。
本記事では、そのソーシャルアプリであるBluesky(ブルースカイ)の紹介と前回立ち上げ当初に紹介した「分散型SNSの「Bluesky」とは?X(Twitter)の代替えとなるか!」から現在はどうなっているかを含めて紹介します。
Blueskyとは何か?
Blueskyの基本概要
Blueskyは、X (旧Twitter)の共同創業者である元CEO(最高経営責任者)ジャック・ドーシー氏が発案した分散型SNSプロジェクトです。
Blueskyは、ユーザーが自分のアカウントを自由に移動できる新しいタイプのソーシャルネットワークです。
たとえばBlueskyで「user123」というユーザー名でアカウントを持っていて、多くのフォロワーと多数の投稿がある場合Bluesky以外にもATプロトコルを採用している別のソーシャルメディアサービスがあれば、「user123」のアカウントをその新しいサービスへ移動させることが可能です。
移動後も、ユーザー名、フォロワー、過去の投稿はそのまま新しいサービスに引き継がれます。
2019年に発表され、2021年8月にX(旧Twitter社)から独立し、現在はBluesky PBC’s (Public Benefit Corporation.) で公益法人として運営されています。(公式サイトのFAQより)
Google PlayのBlueskyアプリ登録状況をみますとBluesky PBLLCとなっています。Public Benefit Limited Liability Companyの略で「公益合同会社」といったところでしょうか。
分散型SNSについては、以前の記事で解説しています。興味のある方は、チェックしてみてください。
なぜ注目されているのか?
Blueskyは当初、ジャック・ドーシーがX(旧Twitter)のCEOだった2019年に立ち上げたプロジェクトでした。ジャックはジェイをBlueskyのリーダーに選び、X(旧Twitter)はBlueskyにサービス料を支払って、いつの日かクライアントとなる可能性のある公開会話用のオープンなソーシャル・プロトコルを構築しました。
Blueskyは2021年の設立以来、独立した企業(公益合同会社)となっています。これは先ほどお話した通りです。
2022年後半、X(旧Twitter)はBlueskyとのサービス契約を終了することを選択し、Blueskyもこれに同意しました。
Blueskyは、"オープンで分散化された公共の会話のための技術を開発し、大規模な採用を推進する "という設立当初の使命を追求し続けています。
Blueskyが注目された引き金は、イーロン・マスク氏によるX(旧Twitter) 買収後の継続性の不安からです。
X(旧Twitter)には以下のような不満や問題があがっています。
- アルゴリズムによるタイムラインの偏り
- 誤情報の拡散
- ヘイトスピーチや嫌がらせ
- 編集機能の不在
- 広告の増加
- 有料化による機能の差別化
以前より有料化の話が上がっていましたが、イーロン・マスク氏は2024年4月に新規ユーザーの投稿に課金制度を導入する方針が明らかにしました。ボットの攻撃を抑える唯一の方法とのことです。
課金は当初3か月間で、その後は無料でサービスを利用可能。アカウントを保有している既存のユーザーは課金の対象外としています。(gooニュースより)
これらの不満や問題を解消する代替えとして期待されているのが、Twitterの共同創業者であるジャック・ドーシー氏が立ち上げた分散型SNSプラットフォーム「Bluesky」です。
当初Blueskyのアカウントは、招待制でしたが爆発的にユーザー数を伸ばしてきました。更に現在では誰でも登録可能となっており、ユーザー数も更に増加傾向です。
Blueskyの総ユーザー数は2023年5月の約5万5000人から、2024年1月には290万人を超えています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Bluesky_(social_network) より
また2024年10月のX(旧Twitter)のブロック機能の仕様変更の発表により、2日間でBlueskyのユーザー数が120万人以上増加し2024年10月時点で総ユーザー数1,200万人となっています。
X(旧Twitter)のユーザー数5億人(月間アクティブユーザー数)には、はるかに及びませんが、今後さらなる発展が予想されます。
まだまだネット上で知れ渡ってきたばかりですので、皆さんもスタートアップユーザーとして一度登録されて利用されてはいかがでしょうか。
Blueskyの始め方
アカウント作成の手順
Bluesky SocialのUI(ユーザーインターフェース)は、一番初期のTwitterに酷似しています。
以前は招待制でのみ利用可能でしたが、2024年2月6日から誰でも登録可能になりました。
iOS、Android共に利用できます。登録方法は下記の通りです。
- Bluesky公式ページにアクセス
- 「新しいアカウントを作成」をクリック
- あなたのアカウント
メールアドレス、パスワード、生年月日を入力。ホスティングプロバイダーはBluesky Socialを選択します - あなたのユーザーハンドルを入力
- ユーザーチェックして画像認識を実施
- その後質問が複数あるので適宜答えてください(設定は後で変更できます)
- リプライやリポスト、引用などをフィードに流すかを選択
- メインになるフィード画面の選択(※スキップも可能です)
- 準備ができました!
以上で登録完了です。以前の招待制の時は電話番号、SMS認証が必要でしたが、デフォルトの設定で進めていく際には、電話番号登録・SMS認証不要となっています。(2024/4月現在)
Blueskyのアカウント名を独自ドメインに変更する方法
Blueskyのアカウント名は、登録時にホスティングプロバイダー「Bluesky Social」を選択した場合は、ユーザーハンドル名.sky.socialとなります。
独自ドメインを所有している方はsky.socialの部分を独自ドメインに変更できます。
- 本人確認がしやすくなる:
独自ドメインをハンドル名として使うことで、そのドメインの正当な持ち主であることを証明できます。これは、X(旧Twitter)の認証バッジのようなものです。アカウントの信頼性が向上します。 - ブランド力アップ
独自ドメインを使うと、ブランドの一貫性を保つことができます。会社やサービスの名前をアカウントに反映できるので、他のアカウントと差をつけられ、プロフェッショナルな印象を与えられます。 - 信頼されやすいアカウントに
なりすましや偽アカウントのリスクを減らせるので、フォロワーや顧客からの信頼を得やすくなります。
上記の理由から、独自ドメインを使うことで、企業や個人のブルースカイアカウントがより信頼され、目立つ存在になります。特に企業にとっては、簡単にブランド力と信頼性を高められる手段としておすすめです。ぜひ導入を検討してみてください。
ユーザーハンドル名「.sky.social」からユーザーハンドル名「.独自ドメイン」への変更はアカウント作成後いつでも変更できます。
独自ドメインの利用はドメインのDNSのTXTレコードに認証用のデータを設定することで可能になります。
では実際にやってみましょう。
バリュードメインでは「Blueskyのアカウント名を独自ドメインに変更する方法が知りたい」でFAQにも記載されていますのでこちらを参考にします。(他のレジストラを使用している方は同じような方法でDNSのTXTレコードに認証用のデータを設置すれば登録できます)
- Blueskyにログインし「設定」をクリックします。
- 「ハンドルを変更」をクリックします。
- 「自分のドメインを持っています」をクリックします。
- ハンドル変更画面の「使用するドメインを入力してください」欄に利用するドメイン名を入力します。
サブドメインでも可能です。 - 先にDNSの設定を完了させておくこと
DNSに追加すべきTXTデータのValue値はハンドル名に対してユニークな値になっています。
1ハンドルネームに対して1ドメイン名が利用でき、サブドメイン名を使えば複数も可能です。例えばuser1.example.comで登録済みの場合、user2.example.comは、既にuser1でトップドメインのexample.comを使っているので使用できません。
この場合はuser2.sub.example.comのようにサブドメインで指定すれば可能です。
上記は私の独自ドメインsco.jpでの例です。txt [Host:の内容] [Value:内容]を設定します。
サブドメインで例えばaaa.bbb.sco.jpと指定した場合は、Host:の内容は_atptoto.bbbとします。Value:内容は表示された値をセットします。 - 「Verify DNS Record」をクリック
5.で先にDNSの設定が完了し、インターネット上にDNSが拡散していれば、「ドメインを確認しました」と表示されます。
以上で、独自ドメインの利用が可能になります。アカウント名にハンドル名が独自ドメインで表示されます。
DNSへの設定では変更がインターネットに拡散されるのにタイムラグがありますので、下記のコマンドで反映を確認後に「Verify DNS Record」をクリックすれば確実に登録できます。
linuxのdigコマンドでの確認方法 (例は独自ドメインをsco.jpとしています)
$ dig +short -t txt _atproto.sco.jp
"did=did:plc:lvjuwuxxxxxxxxxxxxpa"
windowsのnslookupコマンドでの確認方法(Linuxでもこのコマンドは使用可能です)
C:\Users\eva>nslookup -type=TXT _atproto.sco.jp
サーバー: routerA
Address: 192.168.10.1
権限のない回答:
_atproto.sco.jp text = "did=did:plc:lvjuwuxxxxxxxxxxxxxpa"
ここまで、Bluesky公式ページから登録しましたが、公式のiOS、Android専用アプリやサードパーティーから出ている専用のアプリをダウンロードしてアプリから登録も可能です。
公式からサードパーティー製で「Graysky」というアプリが紹介されています。
GrayskyはサードパーティーのBlueskyの代替クライアントで、非常に多くの機能を備えています。
招待制度のころは日本の開発者もBlueskyの代替クライアントを発表されています。特にAndroidユーザー向けに「青雲」(Akiomi Kamakura)があります。
Blueskyの使い方
投稿の基本
ユーザーからみるとUI(ユーザーインターフェース)は、X(旧Twitter)の初期そのものです。基本的な操作感はX(旧Twitter)と同じです。
- Post(ポスト)
- Feed(フィード:タイムライン)
- Repost(リポスト)
- Quote Post(引用ポスト)
- Profile(プロファイル)
- Notification(通知)
などシンプルなものです。Post(ポスト)はX(旧Twitter)のツイートと同じ機能です。
写真やテキストの共有方法
写真やテキストの共有方法は以下の通りです。
・アプリ画面上の書き込みアイコンをクリックします。
・任意のテキスト入力をして投稿が可能です。最大文字数は500文字です。
・ピクチャーアイコンを選択すると画像を4枚まで選択登録が可能です。また写真アイコンで写真を撮って投稿できます。
このあたりはX(旧Twitter)と同じです。貼り付けた画像にはALTテキストを追加できます。また画像のトリミング調整もX(旧Twitter)と同じようにできます。
・上部の吹き出しアイコンで返信できるユーザーの選択ができます。
・上部の警告アイコンではコンテンツの警告の追加を自分で設定できます。
他のユーザーとの交流方法
Blueskyはユーザー同士のやり取りは投稿やコメント/誰でも閲覧できる返信コメントによって成り立ちます。
分散型でユーザーの投稿を誰でも閲覧可能とする開発方針があることから非公開アカウントやDM(非公開のダイレクトメッセージ)など関係者のみが閲覧できる情報を届ける機能が省かれています。
Blueskyは2024年5月にDMについて機能追加予定と公表しています。今後数カ月以内に提供されるでしょう。(Impress Watchより)
Blueskyでできること
Blueskyでは、下記のようなことができます。
- 様々なカスタムフィードがある
- コンテンツモデレーションの仕組みが豊富
- フィード (タイムライン) の途中に広告が表示されない
- ハッシュタグ機能
- ミュートワードに対応
- スマホアプリではシステムの共有メニューに対応
この中でBlueskyの一番の特徴的な機能としてカスタムフィードについて紹介します。
X(旧Twitter)とは違いフォロー中のフィード(タイムライン)を自由にカスタムできて表示ができます。
Blueskyのカスタムフィードを作成する場合は公式のBlueskyアプリにはまだ作成機能が入っていないので、SkyFeedを使います。
作成したカスタムフィードはマイフィードに登録可能で公開もできます。
カスタムフィードを作成してみる
[SkyFeed] https://skyfeed.app/にアクセスします。
アプリパスワードはBlueskyの自分のアカウントから生成する必要があります。別途Blueskyアプリにログインして「設定」から「アプリパスワード」をタップします。
「アプリパスワードを追加」をタップして固有の名前を入力します。デフォルトで提示された文字列をそのまま使用してもよい。
入力後にアプリパスワードが表示されますので記録しておきます。(忘れた場合は再度生成します)
取得アプリパスワードとユーザーネームまたはメールアドレスを入力して「Continue」をクリックします。
独自ドメインを利用している方はユーザーネームでエラーになる場合があります。その場合はメールアドレスで実行してください。
カスタムフィードは左メニュの「Feed Builder」-「Create your first feed」から作成できます。
Feed Nameに適宜名前を入力し、フィード(タイムライン)に表示したい条件を入力します。
参考例として以下の条件で作成してみました。
1.Feed Name:Rose / 薔薇
2.直近3日間のポスト
3.画像付きのみ
4.「バラ」「薔薇」「Rose」のいずれかを含む
5.「豚」は含まない ※ [+Add Block]で条件を任意に追加できます。
6.時系列の新しい順に並べる
最初検索条件に”(?!.*豚)(Rose|バラ|薔薇)”のように1行で記入しましたがエラーで弾かれました。
RegExと表記されたらソフトウエア―エンジニアの性で一行で表現しようとして余計な時間を費やしてしまいました。
否定的先読み?!は利用できないようです。その代わりに条件は複数のBlockで記述できるので問題ありません。
よければ「Publish Feed」をクリックします。
説明文を記入します。画像をアップロードすれば、フィードのアイコンを設定できます。よければ、「Publish」をクリックすれば自分用のカスタムフィードが完成です。
カスタムフィードを確認する
Blueskyアプリで自分のアカウントを表示し、「フィード」タブをクリックしてください。
作成したカスタムフィードが追加されています。
作成したカスタムフィードは公開されているので、「新しいフィードを探す」で検索することができます。
「+」をタップするとマイフィードの一覧に登録できます。
関係ないような投稿が表示される場合は除外するキーワードを追加して調整します。変更はいつでもできます。
カスタムフィードを使用すれば投稿された情報の中から自分用に選択表示できるようになりすごく便利です。
Blueskyでできないこと
Blueskyでは、下記のようなことができません。
- 鍵アカウントの仕組みがない (投稿の公開設定がない)
- ダイレクトメッセージの機能がない
- 動画の添付ができない(※今後追加予定)
Blueskyは分散型SNSでだれでも平等に参加できるプラットフォームで、情報を共有し、コミュニティを形成するためのオープンで包括的な環境を提供しています。
それゆえ、Twitterと同様の機能を提供しつつも、分散型のSNSであるため投稿の特定の公開設定や特定相手のダイレクトメッセージなどの機能はあえて搭載されていません。
Blueskyに関するQ&A
BlueskyとX(旧Twitter)との違いは?
BlueskyとX(旧Twitter)やInstagramなど既存のSNSとの大きな違いとしては、Blueskyは分散型SNSであり、X(旧Twitter)は中央集権型SNSであるというところです。
Blueskyも分散型SNSの特徴や利点は前回記事の「分散型SNSの「Bluesky」とは?X(Twitter)の代替えとなるか!」を参照してください。
当初、Blueskyはハッシュタグ機能は未実装でしたが2月にバージョン1.70にて実装されました。
分散型SNSの範囲で有用な機能は今後も追加されていくはずです。
Bluesky | X(無料プランの場合) | |
---|---|---|
構造 | 分散型SNS | 中央集権型SNS |
文字数 | 最大500文字 | 最大140文字 |
ハッシュタグ | 可能 | 可能 |
画像の点数 | 最大4枚まで | 最大4枚まで |
動画の点数 | 機能なし ※今後追加予定 | 最大4枚まで |
DM (ダイレクトメッセージ) | 機能なし ※今後追加予定 | あり |
Bluesky招待コードは必要?
以前は招待コードが必要でしたが、2024年2月よりBluesky招待コードは必要なくなりました。
またアカウント登録に電話番号登録・SMS認証不要となっています。(2024/4月現在)
まとめ
Blueskyは分散型でユーザーの投稿を誰でも閲覧可能とする開発方針を掲げており、これを根底にして今後も操作性のアップと機能の拡張が行われていくはずです。
現状のバージョンでも十分に使用できる状況です。現在は、招待コードも必要なく、電話番号、SMS認証もありませんので気軽にユーザー登録が可能です。皆さんも一度利用されてみてはいかがでしょうか。
また、ヘビーユーザーにおいては分散型の特徴として自分でサーバーを構築してデータを共有することも可能です。
このあたりは、従来のX(旧Twitter)のような中央集権型のSNSとは大きく異なるところであり、自分でサーバーを構築してデータを共有したいユーザーにとって、Blueskyはたいへん魅力的な選択肢ともなりえます。
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医療メーカーで新素材研究開発後、電機メーカーで制御器系システム開発を経てIT系マルチエンジニアをしています。またデザイン思考を実践し、アート思考などのいろんな思考方法に興味があります。